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利益が出るきっかけは?

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 私共のお客様で、小売業でも製造業でも、この時期に最高益をあげる企業が出始めています。

 私が、そのお客様の経営に関わりだしてから、数十年が経ちます。その中で、利益がでるきっかけというものを考えてみました。以下、私が持つ、今の結論です。

 コンサルティングを通じての流れは、まずは、現状分析をしっかりと行い、業績が下がっていれば、その真の原因は何かを見つける事が重要であると思っています。
コンサルタントの上級、下級の判断は、この真の原因をどれだけ早く見つけられるかがポイントの1つです。

 例えが古くなりますが、経営再建をするにあたって、日産のゴーン氏が経営者になって最初に発表した「リバイバルプラン」の案件が非常に参考になると思うので、ここで書いておきます。

 私は、この「リバイバルプラン」が成功した要素のひとつとして、ゴーン氏が業績の下がっている原因を的確に、しかも早く見つけ出したことにあるように感じています。

原因がはっきりとし、打つ手さえ間違わなければ、企業は、必ず再生できるはずです。
そして、次に来るのが、このリバイバルプランの中でゴーン氏が行ったコミットメントです。

優先順位のつけかたは定石通りです。
私は、ゴーン氏が、この戦略を発表したときの衝撃が忘れられません。
従って、リバイバルプランは大いに勉強し、参考にさせてもらっています。(その1)

 リバイバルプランが導入される以前の借入金は、1989年に1兆2千億から1998年には2兆4千億と約10年の間に倍の増加となっていました。

 ゴーン氏は、この状況を「海に突き出した桟橋が燃えていると想像して下さい。そこにしか板がないのですが、火がついている。足元が燃えている。このままでは、溺れてしまう。しかし、どうしたらいいかわからない。日産は、足元ががんがん燃えていたのです」と表現していました。

 当然のことですが、従業員の士気は下がっています。
そして、それぞれが言うには、「私は正しい。他の部門の人間が悪い。あの人さえいなければ」ということです。つまり「赤字の構造化」なのです。

こうなると、そう簡単には改革ができません。
なぜなら、皆、「自分は正しい」と思っているからです。全員が「思考能力の停止」の状態になっている中、ゴーン氏は、赤字になっている最大の原因は「ゴールを見ないまま、自分が今やっていることに皆が集中している」と発言します。

皆が、部分最適を目指し、そのことが全体不適を生んでいるということに気付いたのです。

 そして、失敗の原因を@利益追求の不徹底、A顧客志向の不足、B機能、地域、職位横断型業務の不足、C危機意識の欠如、D共有ビジョンや共通の長期計画の欠如の5つにまとめました。

 我々は、再生に入っている企業のお手伝いをすることが多いのですが、業績不振の原因は、ほとんどがこの5つに集約されると言っても過言ではありません。

そして、その全ての非は、第一義的に経営者にあります。
ここで注目して頂きたいのは、市場がどうだとか、環境が悪いとかではなく業績不振の真の原因は、企業内部にあるということから入っているということです。


 私が関与する企業においても、利益が出るようになったきっかけは、まず第一に、経営者が、なぜ、利益がでないかをつきとめ、どこをさわれば利益が出るのかを考え、それを断行したということです。

 当たり前の話ですが、原因がわからないままに、経営者は、指示を出してはならないのです。
また、原因がわからないままに、給与体系などいじってはならないのです。
まず原因を特定することが重要なのです。

 例えば、私共のお客様で、返品の多い企業がありました。
この経営者に話を聞くと、年間にそのロス及びそれに関するロスは、5千万から1億はあるのではないかといわれました。

この企業は、次の1年間は徹底的に、それを潰しました。もちろん、今は、その分が利益です。

 また、今まで、ある工程を外注に出していた企業があります。
この工程に利益があると考えた経営者は、その工程を内部化しました。
もちろん、その後、その分が利益となりました。

 つまり、企業規模の大小にかかわらず、利益がでない原因を特定し、そのことが実行可能かどうかを検証し、実行することが重要なのです。

検証するとは、私共の考え方で言うならば、資金が回るかどうかを検証するということです。
資金が回らないと、実行できたとしても、企業がなくなる可能性が高いからです。

大企業と中小企業との大きな差異は、金融機関の企業に対する対応です。
中小企業の場合は、教科書通りにはいかないので、注意を要するのです。


記事提供者:株式会社上坂経営センター


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