日本銀行の白川方明総裁は、日銀支店長会議の場で「景気が落ち込む恐れは後退」と二番底懸念はほぼ一掃との見解を示しましたが、個人消費の伸びはまだ鈍く「モノが売れない」状況は依然として続いています。
こうしたなか、取引先などへ「リベート」を支払ってまでも売上増を図る会社も少なくありません。
「リベート」とは、商品を大量に仕入れた際などに、メーカーや卸売業者が小売業者などに支払うものです。
その場で減額する「値引き」と違い、一定期間を置いてから支払われることが特徴です。「販売奨励金」などともいわれます。
会計上は、メーカーなどからみると「売上割戻し」、小売業者などからみると「仕入割戻し」として処理することになりますが、このリベートについては税務上よく注意する必要があります。
裏金から支払われ所得隠しに使われることがあるという理由もありますが、正しく申告していても、それが全額損金として処理できるか交際費とされるかの判断に迷うケースが多いためです。
リベートを支払った側の処理としては、支払った金銭は原則として全額損金に算入となります。
しかし、そのためには、売上高の回収額などに一定のルールが設けていなければなりません。
支給基準が曖昧であったり、特定の得意先だけ額が高いなど、要件が一定ではない場合はNGです。
また、会社などではなく、役員や従業員個人に支出している場合や、リベートに金銭以外の物品を支給した場合は、それが一定の基準に則ったものでも、交際費とされることにも注意しましょう。
逆にリベートを受け取った側は、受け取った金銭を雑収入として事業所得の収入金額に計上することになります。
このリベート、「隠していてもバレない」と思っている場合は要注意です。
リベートを支払った会社を当局はしっかりとリストアップしています。
支払っている会社と取り引きがあるにも関わらず収入としてリベートが計上されていない場合、税務調査の際に指摘される可能性が高いので気をつけましょう。
<情報提供:エヌピー通信社>
記事提供:ゆりかご倶楽部
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