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TOBで発生した株式譲渡損失 配当所得との損益通算OK
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 上場企業が行う自社株式の公開買い付けに応じて個人投資家が株式を売却した場合、

譲渡所得ではなく配当所得として扱われる場合があります。

東京国税局は5月、このようなケースでは株式の取得価額を譲渡所得計算上の必要経費として差し引くことができ、

これによって発生した譲渡損失は、確定申告を行うことで配当所得と損益通算できることを認めました。


 所得税法の規定によれば、個人投資家が公開買い付けに応じて株式を売却したことによる売却益は、

株式発行法人の資本金がゼロ円以下の場合、

原則として譲渡所得ではなく配当所得と見なされます(みなし配当課税制度:所得税法25条第1項4号)。

 ところが、配当所得を計算する過程では、株式の取得価額を必要経費として控除することができません。

そのため個人投資家には大きな不利益が生じ、その結果として公開買い付けに応じる株主が少なくなることが想定されます。

そこで平成22年度税制改正以前の税法には、このようなケースではみなし配当課税を行わず、
売却益を譲渡所得として扱う租税特別措置(租特)が設けられていました。


 しかしこの租特は平成22年度税制改正で廃止され、

公開買い付けにより個人投資家が得た売却益を配当所得として取り扱う“本則”の規定が復活。

そのため、同年度改正以降、売却した株式の取得価額を譲渡所得計算上の必要経費としてよいのか、

多くの個人投資家の間で疑問が持たれていました。


 なお、平成21年以降の所得を計算する際には、

配当所得と譲渡損失との損益通算が全面的に認められていますが(租税特別措置法第37条の12の2)、

この規定は、今回のように公開買い付けが絡むケースで発生した譲渡損失にも例外なく適用されます。



<情報提供:エヌピー通信社>



記事提供:ゆりかご倶楽部




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