納税者が国税当局の処分に不満がある場合は、税務署等に対する異議申立てや
国税不服審判所に対する審査請求という行政上の救済制度と、
さらには訴訟を起こして裁判所に処分の是正を求める司法上の制度があります。
国税庁・国税不服審判所は不服の申立て及び訴訟の概要を公表しました。
それによりますと、2012年3月までの1年間(2011年度)の不服申立て・税務訴訟を
通しての納税者救済・勝訴割合は10.6%となったことが分かりました。
異議申立ての発生件数は、申告所得税(前年度比24.1%減)、法人税等(同13.7%減)、
徴収関係(同49.0%減)など軒並み減少し、全体では前年度から25.5%減の3,803件となりました。
処理件数は、「取下げ」641件、「却下」413件、「棄却」3,082件、「一部取消」331件、
「全部取消」44件の合計4,511件となっております。
納税者の主張が一部でも認められたのは375件となり、処理件数全体に占める割合(救済割合)は
前年度を1.7ポイント下回る8.3%でした。
また、税務署の処分を不服とする国税不服審判所への審査請求の発生件数は、
申告所得税(同14.3%増)、相続・贈与税(同34.1%増)など、徴収関係(同34.0%減)以外は
増加し、全体では前年度から16.1%増の3,580件となりました。
処理件数は、「取下げ」284件、「却下」285件、「棄却」1,994件、「一部取消」285件、
「全部取消」119件の合計2,967件でした。
納税者の主張が何らかの形で認められた救済割合は同0.7ポイント増の13.6%となりました。
一方、訴訟となった発生件数は、所得税(同13.4%増)、法人税(同5.0%増)、
相続・贈与税(同20.9%増)など、ほとんどの税目で増加したことから前年度を
11.7%上回る391件でした。
終結件数は、「取下げ」27件、「却下」15件、「棄却」287件、「国の一部敗訴」20件、
「同全部敗訴」31件の合計380件でした。
国側の敗訴(納税者勝訴)割合は同5.6ポイント増の13.4%となり、
最近10年間では3番目に高い割合となりました。
※追記
上記のように税務署に対する異議申し立ての減少は、税務署の処分を処分した税務署に
異議申し立てをしても中立な結果をえられないことを示しているためと思います。
国税不服裁判所への審議請求の増加は、裁判意識の増加と思われます。
おそまきながら、少しずつ民主化に向かっているものとおもわれます。
本来、異議申し立てや審議請求で国税不服裁判所ではなく、真意味の第三者の中立機関ないし、
裁判にて是非が扱われるのが本来の民主主義ではないかと思います。まず名前から変えないとだめでしょう。
名は体をあらわすとはよくいったものです。
それが納税者主権の姿だと思います。時間はかかるでしょうが、少しずつ変っていくでしょうが、
法律はいきなり変えることもできるのです。
記事提供:ゆりかご倶楽部
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