明けましておめでとうございます。
平成24年の干支は「辰」で竜にも通じるといわれていますので、竜のように景気が上向きになることを祈りましょう。
1.税制改正について
さて、税制改正ですが次の4つの改正項目で進んでいます。
(1) 平成23年度積残し法案の処理(積残し法案についても附則で引続き検討するとしています。)
(2) 平成24年度税制改正は税制改正大綱どおりに税制改正が成立するかどうか、平成23年度税制改正の経緯をみても不安です。
(3) 消費税の引上げは、社会保障との一体化で社会保障の給付も伴うものであり、かつ、野党は消費税の引上げの成立の前に総選挙を実施しろと迫っていますので平成24年度に税制改正として成立する可能性は疑問視されます。
(4) 東日本大震災の復興財源としての税制改正は、所得税・法人税等の附加税で一応の決着をみました。
しかし、風評被害又は当該震災地以外の被害(例 液状化被災、農産物の汚染被害等)の復旧財源を加えれば、現在の復興財源の額では不充分であると一般にいわれています。
このように、平成24年度税制改正は、不確定の状態で進んでいますので、この件については正確な目途がついたときに述べることとしたいと思います。
2.会計指針の改定作業について
その間従来の「中小企業の会計に関する指針」(平成23年7月20日・最終改正)(以下「会計指針」といいます。)が、
中小企業庁により設置された「中小企業の会計に関する検討会」により検討され、平成23年11月に「中小企業の会計に関する基本要領(案)」(以下「基本要領(案)」といいます。)が公表されパブリック・コメントにふされています。
そこで、税制改正のはざまに当該基本要領(案)についての感想を述べさせてもらいます。
(1) 基本要領(案)について
私は、中小企業における「一般に公正妥当と認められる会計基準」とは「健全で合理的な中小企業者の判断を反映した会計」でなければならないと考えています。
そのための中心課題は「会計が現在及び将来にわたって、使える資金が増加したのか減少したのかを判断できる会計であるか否か」の点にあると思います。
すなわち、破産原因は「支払不能または債務超過」(破産法15条1項、16条1項)と規定されています。
そのように考えた場合に資金の裏付けのある会計に中小企業会計は重点化すべきであると判断されます。
そのような考え方に基づいて、会計指針に定められていた「税効果会計」「退職給付債務」等を基本要領(案)において削除したことは資金の裏付けのある中小企業会計に一歩近付いてきたという感じを抱いています。
(2) 基本要領(案)に望みたいこと
中小企業者の経営の多くの部分は、資金繰りの問題ではないかと思われます。
したがって、正規の「キャッシュ・フロー計算書」(営業活動キャッシュ・フロー、投資活動キャッシュ・フロー、財務活動キャッシュ・フローに区分されたもの)を、中小企業計算書類として位置付け取引の安全に寄与すべきだと考えています。
U 1月の税務
1月は、税繁忙期に突入し、源泉徴収票の交付等がありますが、3月まで続く長丁場ですので健康に留意してがんばって下さい。
記事提供:ゆりかご倶楽部
法学博士・税理士右山昌一郎
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