半導体のメーカー、エルピーダメモリの会社更生法申請から3ヵ月以上が経ちました。
エルピーダメモリは1999年に日立製作所とNECが、2003年には三菱電機も事業統合し、経産省からの後押しも受けて事業を展開していました。
しかし、2000年代半ばからの世界的な競争激化や半導体市況の低迷のあおりを受け業績が悪化。
2009年に「産業活力再生特別措置法」の適用第1号となったものの再建は思うようには進まず、今回の会社更生法申請となりました。
製造業としては日本過去最大の4,800億円強の負債で、経営の引き受け先として、最終的に米半導体メーカーのマイクロン・テクノロジーが支援企業として決定しました。
これらは、日本のこれからを占う意味で、大きな意味を持っています。
半導体は「産業の米」といわれるほど、深く日本の経済に影響力を及ぼしています。
エルピーダメモリは日の丸メーカーとして唯一のDRAM(ディーラム)の製造をしており、世界でも3位の生産量を誇っていました。
DRAMはコンピュータの主記憶装置やスマートフォン、液晶テレビやデジカメなど多くの情報機器の記憶装置に用いられています。
現在はDRAMに代わってフラッシュメモリが使われることが多いのですが、それでもDRAMはIT産業にとってはなくてはならない存在なのです。
支援企業と決定したマイクロン・テクノロジーと最後まで争ったのは米中連合でファンドを組んだ中国ファンドでした。
この中国ファンドは中国のパソコンメーカー聯想(レノボ)グループの傘下にあり、もしこのファンドが落札していたら、エルピーダの技術が中国国内に流出する可能性も考えられました。
現在は「産業の米」といえば、半導体を意味しますが、明治期から昭和の高度成長期まで、「産業の米」とは、鉄鋼業のことを意味していました。
歴史を振り返ると、明治政府は国営の八幡製鉄所を運営、鉄鋼業界に力を注入しました。
その結果重機械産業、造船業などが発展しましたが、翻って半導体についてはこのままでいいのでしょうか?エルピーダの場合、東芝が支援企業として名乗りを上げましたが、結局は1次入札で敗退しました。
今の時代、国が音頭を取って買収の斡旋をするようなことは表立ってはできませんが、次の日本の「産業の米」を見つける前に、今の「産業の米」に磨きをかけることが重要だとの見方もできます。
今、原子力産業の行方が混沌としています。
原子力技術は電力だけではなく、医療や宇宙産業などにとって欠かせないものとなっています。
原子力発電の良し悪しは置くとして、もし原子力産業から完全撤退することになれば、その技術を引き継ぎ、発展させるノウハウや人材を失うことになり、再び参入するときは、周回遅れのレースに参加するといったこととなる可能性もあるでしょう。
日本の技術と継承について改めて考える必要がありそうです。
エルピーダは日本の一企業の倒産事件ですが、今後、他産業でもこのようなことが興る可能性と日本の未来について考えさせられます。
(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)
記事提供:ゆりかご倶楽部
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