日本経団連は、2014年度税制改正に関する提言を公表しました。
それによりますと、主な改正要望として、
@消費税率の円滑かつ着実な引上げ
A投資減税など、成長戦略に基づく税制措置の具体化
B法人実効税率の引下げに向けた道筋の明確化など、経済の活性化、国内における投資や雇用の維持・拡大に向けた税制措置
Cタックスヘイブン対策税制の改善を中心とした経済のグローバル化に対応した国際課税制度の整備を掲げております。
@の消費税率引上げに伴い予測される短期的な景気の落込みについては、実効性のある投資減税や財政政策で適切に対応すること、低所得者対策は当面の間、簡素な給付措置を検討すること、消費税率10%までは単一税率を維持すべきことなどを提言しております。
Aの投資減税については、使い勝手のよい簡素な仕組みとし、対象資産には機械・装置だけでなく構築物、器具備品、ソフトウェア、建物等も含め、製造業・非製造業を問わず利用可能なものとし、即時償却に加え、税額控除も選択適用可能な最低5年間の措置として本年度からの適用を要望しております。
Bの法人実効税率については、現行は臨時の復興特別法人税を含め38.01%(東京都)ですが、最終的にはアジア近隣諸国並みの約25%まで引き下げるべく、道筋を示すための議論を早期に開始することを求めております。
また、税源偏在是正のため、地方法人特別税など地方法人所得課税を国税の法人税に統合した上で再配分、その後段階的に縮減、併せて、事業所税の見直し、申告・納付事務の簡素化等、地方法人課税の見直しを提言しております。
Cの低い税率の国の子会社等の所得を親会社の所得に合算して課税するタックスヘイブン税制については、その外国子会社合算税制の適用対象を判定するための基準税率(トリガー税率)を18%に引き下げるよう求めております。
トリガー税率は、2010年度税制改正で25%から20%に引き下げられましたが、その後も世界各国で法人実効税率の引下げが行われており、主要国がトリガー税率に抵触する可能性も高まっております。
今後の税制改正の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、平成25年10月20日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
記事提供:ゆりかご倶楽部 |
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