国税庁は、2013年度査察白書を公表しました。
それによりますと、2013年度に着手した査察事案185件では1事件当たり、着手日に延べ158名を動員し、45箇所を調査しました。
告発した査察事案118件では1事件当たり、着手から告発まで8ヵ月の調査期間を要し、調査期間が1年を超えた事件は26件、うち最も長いものでは約2年というのもありました。
国税庁では、「検察庁との間で、早期かつ綿密な連携を図り、悪質な脱税者に対して厳正に対応するため、国際化への対応やICT(情報通信技術)への対応にも力を注いでいる」といいます。
国際化への対応では、税務行政執行共助条約が発効するなど、我が国の情報交換ネットワークが拡充するなか、国際取引を利用した事案に的確に対応するため、査察部の専門部署による調査支援や租税条約等の規定に基づく情報交換制度を積極的に活用しております。
2013年度に処理した事例においては、7事件延べ11回、外国税務当局に情報提供を要請しました。
このうち、国税査察官を外国税務当局に派遣して事案の概要を説明した上で要請を行ったものなどがありました。
また、外国税務当局からの情報提供要請を受け、3事件について、国税査察官が調査を行いました。
さらに、OECDが開催する「税と犯罪に関する会合」などの国際会議に出席し、脱税等への対応について意見交換を行っております。
他方、経済取引等のICT化に的確に対応するため、査察部の専門部署による調査支援やデジタルフォレンジック用機材を活用するとともに、関係機関と連携して電子機器等の電磁的記録の証拠保全及び解析を行っております。
また、電磁的記録の解析に必要な技術の向上等を図っており、2013年度に処理した事例では、パソコンのハードディスクから消去された会計データを復元し証拠化を行い、真実の取引金額を把握したものなどがあったといいます。
このように、国税査察官は、経済社会情勢の変化に的確に対応し、悪質な脱税者の摘発に全力を挙げております。
(注意)
上記の記載内容は、平成26年9月2日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
記事提供:ゆりかご倶楽部
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