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HOMECONTENTSタックスニュースタックスニュース平成27年タックスニュース 2015.06.16


《コラム》ピケティの資産課税とマイナンバーと富裕税

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ピケティの提唱

 ピケティの「21世紀の資本」は世界中で爆発的な売れ行きを示しています。

ピケティは、資産格差を拡大させないよう、累進的なグローバル資産課税を提唱しています。

個々人が持つ資産を全世界的に把握し、資産総額に応じて課税したうえで、税収を関係国間で配分するというものです。


資産課税への日本の制度化準備

 わが国でも、資産総額への課税制度創設の準備は進んでいます。

今年の税制改正事項として、従来の「財産債務明細書」を改変し、国外国内を問わないもので、且つ「国外財産調書」と同じように運営する「財産債務調書」制度が創設されます。

懲役刑を含む罰則をもつ「国外財産調書」制度の施行に引きずられての見直しのようにも見えます。


罰則ナシでスタート

 「財産債務調書」の新制度には、懲役刑を含むような罰則は設けられないようです。

提出を義務付けられる人のプライバシーの開示を強制するに等しい、財産と債務のオープン化は、100%完璧な申告も限りなく不可能であろうし、心理的には相当な抵抗が予想されるところだから、と思われます。

 罰則がなくてもまともな申告が期待できるものでしょうか。

現行の「財産債務明細書」については、罰則がないため、提出義務があっても提出しない人が沢山おり、提出はするが形ばかりというものでも、これへの問合せは皆無です。


まずはスタートで少しのフォロー

 従来と違うのは、「財産債務調書」の信憑性を担保するための税務調査の制度を設ける、としているところです。

相続財産の事前調査のようになりそうです。

調査非協力には罰則があります。

でも、調査官が職権により「国外財産調書」や「財産債務調書」の書き換えをする職権更正というのはなさそうです。


そしてマイナンバーが来年から

 財産申告と施行間近なマイナンバー制度をかけあわせると、当面の狙いは、相続財産の捕捉もれへの対処であるとしても、その先に資産課税としての「富裕税」を見据えている、ことが透けてきます。

富裕税は、日本でも、戦後3年間実施されていましたが、フランスには今でもあります。
 財産申告が富裕税の税額計算申告になるまでは、財産適正申告の実現は相当な困難事のように思えます。



記事提供:ゆりかご倶楽部



6月16日朝時点での新着情報は、以下の通りです。

国税庁ホームページ掲載日:平成27年6月15日

●「平成27年分法人税申告書別表」の一部掲載について

●酒税課税状況表(平成26年度3月分)について

●「酒類等の放射能分析結果について」を更新しました

●平成27年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)(平成27年6月1日)

●類似業種比準価額計算上の業種目及び類似業種の株価等の計算方法等について(情報)(平成27年6月1日)



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