
古くて新しいけれど仕事の成果は、経営者を含めた人材の実行力で決まってしまうのです。
「人は石垣、人は城」とは古くて新しい言葉です。
社長一人で事業を始めた場合には、なにからなにまで、自分一人でやらねばなりません。
それでも、お客様、仕入先、外注先と人間関係が作られていきます。
人の人生は、事業の発展とはどれだけ多くの人と知り合い、どれだけ社会に貢献できたかなのでしょう。
よくいわれますが、「人」という字は支えあっています。これが「共生」じゃないかなって思っています。
また、話しがそれました。一人で事業を始めて、お金が稼げても、稼げなくても、自分一人の責任、稼ぎがすくなければ、お茶漬けでも、インスタントラーメンでも、お金がないから我慢すればそれですみます。
儲ければ、お金を使えばよい。いえ、事業発展のために使うために貯蓄に回すのです。
一寸先は闇といいますので。生活レベルを上げないことです。あげたらきりがありません。
いわゆる節約と倹約です。予算を立てて、一定の比率のもとに貯蓄をしなければいけません。
儲けていても損をしていても貯蓄は大切です。
山もあれば谷もありますから準備というか備えが必要です。
人もさらなるときのため準備しなければなりません。
新しい能力、実行力を養わねばなりません。
ところが、たいがいの人は、ルーズになり、あぐらをかいてしまいます。
しなくていい部分に時間を費やすことになり、人間本来の怠惰な部分がでてしまいます。
これを旧体制とか、旧体質とかいいます。
既存のやり方を変えられないのです。新体制もやがて同じようになってしまうものです。
ずっと一人で事業をするという方はそれもよしです。
百人百様の生き方があります。
経営の仕方があります。発展より守っていく方が大変な場合もあります。
社長一人で行なうことは簡単そうにみえますが、意外と大変なことなんです。
SOHOとかアウトソーシングとかの外部スタッフを有効に協力体制を行なうことにより、社長一人しかいない会社でも売上を50億円、100億円とすることができるのです。
これは実際にあることです。
「創業は安し、守勢は難し」といいます。
開業して順調に発展して、安定期にはいり、20%、30%の売上減により財政状態が悪化していく企業があります。
まさに守っていくことも至難な技なのです。
社員の方を雇う場合において、優秀な人を引き抜くか、育てていくかですが、例えれば、前者が信長タイプ、後者が家康タイプとこじつけた場合、私は家康タイプに軍配があがると思いますが、これもいちがいにはいえず、ケースバイケースでしょう。
むしろアウトソ−シングの活用がこれからはポイントとなっていくでしょう。
外部のプロ集団の活用。単純仕事の外部委託など。
自社にないもの。自社の得意とするものの活用。
ますますコラボレーション的発想が求められてきています。
いずれにせよ、人材は人財でなければ企業は伸びません。
この人財という言葉は、一般に言われているのと違って、この場合は「人はお金がかかる」という意味です。
事業に必要な物は購入して使いますが、買って使わないもののなんと多いこと、ムダなものを購入している場合の多さに気がつきます。
使わないものなら買う必要はなかったのです。
作成しなくてもよい書類を作成している場合、しなくてもいい仕事をしている場合などあげたらいくらでも出てきます。
「人財」もムダなものを購入していないかということです。
このことに多くの経営者の方は気がつきません。
気がついても、「人にお金」をかけ続けているのです。
こんな状態が続けば会社はつぶれます。
経営者は必死に勉強して、実践して、また勉強していかねばなりません。
これができない経営者は肝に命じて勉強と実践を繰り返してほしいと思います。
事業がうまくいくのもいかないのも、経営者の自己責任ですので、いはんやうまくいかないのを社員の方のせいにするのは、自分の人を見る眼がなかったことと、育て方がまずかったと反省を是非してほしいものです。
これは私自身の反省でもあります。
人は過ちを繰り返す動物でもあるのです。
経営者が行なおうとしている事業を達成推進するために実行する人材が必要なのです。
そのためには、社員の方も必死に勉強して、実践して、また勉強していかねばなりません。
片腕とも番頭ともいいますが、社長にない能力をもった番頭さんがいる企業は伸びるでしょうし、守りが安心ということになります。
しかし、社長の器以上に会社は大きくなれないともいいます。
つまり社長以上の能力を持った人は雇えないということにもなるのでしょう。
これは会社の規模にもよりますが、社長の人間の格によるところが多いと思います。
絶え間ない努力が必要なのだと思います。永遠の課題でもあります。
いずれにしても、多くの会社で、社員の方が入退社を繰り返しています。
またリストラが首切りの代名詞になってしまいました。
日本が世界に誇れる古来の伝統がなくなっていくことは、自ら首をしめているようなものと思います。
リストラの多い企業ほど問題点は、経営者の方の器量にあると思います。
幹部社員の方の育て方・危機意識の欠如もあると思います。
人の育て方の問題は永遠の課題なのですが、経営者の成長や勉強も永遠の課題なのだと思います。
歴史小説が好きでよく読みますが、過去より学べるものが非常に多いと思います。
人間はそうは変わらないものだともいえますが、悪いほうにへと変わりやすく、よい方へと変わっていくには、人生観や環境によることも多く、生き方と企業理念が一致してくるものと思います。
たとえ、環境が悪くとも、生き方まで悪くはなりたくないものです。
企業は利益を追求するものですが、経営者及び社員の方たちの個々の幸福生活、しいてはよりよい社会を築く手段ですので、目的と手段をまちがえないようにしたいものです。
昨今のリストラばやりでは、会社に忠誠心をもつのは難しい世の中になってきましたが、日本の伝統が失われていくのは、武士道を信条とする私としてはさびしいものです。
忠誠心という言葉自体が古臭いとか、そんなものあるわけないじゃないとか。
本当の意味での素晴らしい日本語や大和魂がなくなりつつ、あるいはなくなってしまった現代を危惧する一人であります。
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