生命保険主要8社・グループの平成16年度上半期業績が出そろいました。
個人向け保険商品全体の保有契約高は7グループが減少するなど、厳しい経営環境が続いていますが、経営の足かせとなっていた解約・失効高は全社において減少し、「生保危機」は薄らいだ形になっています。
生命保険主要8社・グループ合計で個人保険・個人年金保険の保有契約高は、前年度末比2.3%減の1015兆6967億円となり、半期ベースで7年半連続で落ち込みました。
ただ解約・失効高は、朝日生命が43.3%減少するなど減少率が前年同期比2ケタとなる会社が続出しています。
ところで、長引く不況を背景に資金繰りに窮した会社のなかには、やむをえず社員を対象にかけていた生命保険契約を解約するケースがあります。
しかし、保険契約を解約しないで現金を捻出する方法もあるので知っておきたいものです。
その方法とは、保険契約の一部解約による保険積立金の取り崩しを行い、保険金減額による返戻金を受けとるというもので、積立金の取り崩し分と返戻金との差額は雑損失として計上できます。
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問題は、保険積立金の取り崩し額をいくらにすればよいかという点です。
基本的には「保険積立金×減額部分保険金÷減額前保険金」で計算することになります。
少しでも現金を捻出したい会社にとっては耳よりな情報ですが、正確な税務処理をしないと税務調査で厳しい指摘を受けることになります。
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